古着ブーム
古着屋がピークだったのは90年代ではなかったかと思います。もちろん、その前の80年代も古着屋は、少なくとも今より店舗数もありましたし、古着屋をはじめようと考える人もたくさんいました。でも90年代は、芸能人にも、古着やビンテージジーンズを着用している人が多かったですし、ファッション雑誌でも古着の特集がよく組まれていました。
現在はどうかと言うと、古着のもつオーラやおしゃれさを楽しむということが下火となり、リサイクル志向としての古着が支持されているといった面が強いと言えるでしょう。
ファッションとしての古着販売で、支持され存続しているショップは、『WEGO』や『HANJIRO(ハンジロー)』、古着屋本舗の『スピンズ』などを除くと、かなり限られてきました。むかしは、数人の仲間で経営していた古着屋もたくさんあって、規模が小さくても人気のあるお店が結構あったものですが、そのままの規模で生き残れているショップというのは、もっと限られてくるでしょう。
ただし、これは古着屋だけに当てはまることではありません。古着を扱っていない普通のファッション小売店チェーンも軒並み縮小していて、店舗数がピークの時の半分以下にダウンサイズしているところはたくさんあります。つまりもっと俯瞰して見ると、アパレル業界全体の構造がガラッと変わったというのが実情なのです。
それでは、実用衣料としてではなく、ファンションとしての古着は今後さらに縮小が進み、最後にはなくなってしまうかと言うと、そこまでにはならないと思います(もちろん、全体としての縮小は続くでしょうが……)。
なぜなら、古着をファンションとして楽しんだことがない若い世代が、古着の良さを再発見して、あらたなブームを作り出す可能性は十分あるからです。
若いデザイナーが古着やアンティーククロージングからアイデアを得るということは、普通にあることですし、アイデアやエッセンスだけを楽しむのではなく、そのものズバリを求めるという動きが起こらないとも限りません。
業態によっては、厳しい経営を強いられていると言われる古着屋業界ですが、根強いファンの支えのもと、ぜひ持ちこたえていただきたいものです。
コンセプト、セレクト
古着屋と聞いてお思い浮かべるものは、きっと人によってかなり違ってくると思います。古着屋といっても10万円近いビンテージリーバイスをあつかっている古着屋もあれば、同じリーバイスでも5千円前後の、ビンテージではない中古のリーバイスを山積みにしている古着屋もあります。もちろんビンテージを置いてなければ古着屋とよべないというわけではありませんので、同じUSA古着とうたってあっても、商品の中身や構成は全然違っているというのが古着屋というものです。
また古着屋と言うとアメリカンカジュアル系のメンズ古着だけでなく、ワンピースやリネンブラウスなどを扱っている古着屋さんもあります。実際このタイプの古着屋さんの数は、ずいぶん少なくなっていますので、地方都市だと見ることもないかも知れません。でもかつては、メンズのアーミー放出品やカジュアルラインの古着と並んで、ロマンチックなドレスをたくさん扱っている古着屋もあったので、年代によってはそちらの古着を思いだしてしまうという方だってきっといることでしょう。
さらに最近では、輸入古着ではなくて、国内のリサイクル古着なども古着屋と言われることがあります。このリサイクルジャンルだけでも、ブランド物、一般衣料から和服などと、実に様々な古着があります。若い方だと、古着屋と聞くとリサイクル古着のことだと思っている人もいるのではないでしょうか。
このように古着といっても、古着屋さんのコンセプトによって、全く違ったものと言っても良いぐらいのひらきがあるということはしっておいたほうが良いでしょう。
仕入れルート
古着屋さんは古着をどこから仕入れているのかということも、疑問に思う方もいることでしょうが、仕入れルートも古着屋さんの形態によって様々です。
海外の古着を扱っている場合、個々の商品をオーナーが直接買い付けている場合もありますが、現地に出向いて直接目で見たものだけを仕入れているわけではありません。現地には古着を選別して送ってくれる業者もいるので、良い業者を選ぶことができれば、日本から一歩も外にでなくてもまとまった量の古着を輸入できるのです。
輸入古着を集めるなら、アメリカに直接出向いてスリフトショップ巡りをするのがあたりまえと思ったら大間違いで、仕入れの度に莫大な経費と時間をかけることができるショップは、今では限られた存在と言えそうですね。
ただしこうした輸入で送られてくる古着には、ビンテージものなどは入りません、「501のXX」などを集めて販売している古着屋のオーナーは、直接現地に出向いて仕入れることになります。
また輸入古着でないものは、卸売業者などもありますので、普通の衣料品のように、商談してバイイングをすすめることも多くなります。古着業界の卸売業者はただ古着を卸すだけでなく、古着のリメイク・リサイズをしたものも扱っています。
おしゃれな人は、自分で古着をリメイクして着ている方もいますが、リメイク済みの古着も今では普通に販売されています。
他にはフリーマーケットやオークションなどでユーズドクロージングを集めて販売している個人や業者もいます。
価値の高いビンテージウェアは年々品薄になっているわけですが、一般的な古着ということであれば、古着の仕入れルートはかなりたくさんあると言えるでしょう。